目次
会社を経営している方であれば聞いたことがないということはないと思いますが「帝国データバンク」という国内最大手の企業信用調査機関があります。今回は、帝国データバンクとビジネスローン審査の関係について解説します。
帝国データバンクとは
企業を専門対象とする国内最大手の信用調査会社で、全国83カ所の拠点で約3,200人が活動し、年売上高約462億円(2012年9月期)を誇る企業情報サービスの提供会社なのです。
ビジネスローンに限らず、事業向け融資を展開している金融機関は、この帝国データバンクの情報も審査の重要な情報源として活用しているのです。
帝国データバンクに記載される情報とは
基本情報
- 上場区分
- 創業
- 設立
- 資本金
- 事業内容
- 取引銀行
- 従業員数
- 仕入先
- 得意先
- 系列
業績推移
- 売上
- 営業利益
- 経常利益
- 当期純利益
- 申告所得
事業構成
評価
他
- 発行株式
- 債権譲渡登記の状況
- 役員
- 株主
- 従業員
- 設備
- 代表者情報
- 銀行取引
- 資金現況
など、さまざまな情報が調査されているのです。
ビジネスローン審査で重視される帝国データバンクの情報
1.帝国データバンクに情報があるかどうか?
まず、「帝国データバンクに情報がある」ということも一つの信頼性の証なのです。帝国データバンクは他の会社から「この会社を調査してほしい。」という依頼を受けて調査が行われます。基本的には金融機関や取引先が依頼することが多いのです。
創業間もない場合にはこの依頼がなく、帝国データバンクから調査をされていないことが多く、当然、帝国データバンクの情報データベースにも記載されないことになるのです。
データがあることがでひとつの信頼性として、ビジネスローン審査にはプラスに働くのです。
2.業績の推移
売上、営業利益、経常利益、当期純利益などの主要な経営指標の数年間の業績推移が記載されます。これを見れば、業績が成長している会社なのか?悪化している会社なのか?見抜くことができるのです。
減価償却費も記載されているため、営業利益と照らし合わせれば、毎年どのくらいのフリーキャッシュフローが生まれているか?がわかるため、ビジネスローンで融資できる限度額も決められるのです。
3.評点
帝国データバンクは独自で企業の信用を点数化しています。
100点満点で、A、B、C、D、Eの5段階で信用程度がランク付けされているのです。金融機関の審査がこの評点次第というわけではありませんが、一つの目安として評点も参考にされているのです。
- 業歴 企業運営の継続性を評価。業歴が長いほど高得点
- 資本構成 企業財務の安定性を評価
- 規模 年売上高、従業員数など経営規模を評価
- 損益 会社の損益を決算報告書などから客観的に評価。
- 資金現況 調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価
- 経 営 者 経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価
- 企業活力 TDB調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価
- 加点減点 上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映
4.借入状況
借入金の状況や、社債、役員からの借入、担保設定、資金現況などの情報もチェックされます。支払い能力を審査されるのです。
まとめ
帝国データバンクは民間の最大手の信用調査会社であり、金融機関も審査に用いるほど信頼性の高いデータベースになっているのです。
帝国データバンクから取材依頼が来た場合には、断らずに受けておくとビジネスローンや銀行融資でプラスに働く可能性が高いのです。