ビジネスローン審査では、事業内容や業種、業態も審査の対象になります。では、事業内容や業種、業態のどの部分が審査されるのでしょうか?
ここでは事業内容や業種、業態とビジネスローン審査の関係について解説します。
1.業種、業態と過去の貸し倒れ率の関係
簡単に言えば
「キャバクラを運営している会社」と「弁護士事務所」
売上も、利益も、借入状況も、全く同じと仮定したときにビジネスローン審査に通る割合というのは、同じだと思いますか?
答えは「No」です。
ビジネスローン審査では「いかに貸し倒れが起きないのか?」をチェックしているのです。
「キャバクラなどの夜のお店は、危なそうだから審査に通さない」
「弁護士は信用できるから審査に通そう」
とイメージで審査しているわけではありません。
ビジネスローンの審査はスコアリングシステムで点数化されているのですが、このスコアリングシステムは過去の融資実績、貸し倒れ率などのデータを元に構築されているのです。
そのため、業種・業態別の貸し倒れ率というデータがすでに蓄積されていて
例えば
キャバクラの貸し倒れ率 5%
弁護士事務所の貸し倒れ率 0.5%
というようなデータがあったうえで
弁護士事務所 > キャバクラ
の方が審査評価は高いという考え方になるのです。
傾向としては
- 貸金業やキャバクラやクラブなどの夜の商売の場合は、貸し倒れ率が高くなり、ビジネスローン審査に通りにくい
- 弁護士事務所や病院経営・クリニックなど資格を元に行う事業の場合は、貸し倒れ率が低くなり、ビジネスローン審査に通りにくい
ということになるのです。
たとえば、同じ小売業でも「健康食品の通販事業」と「店舗を持ったドラッグストア経営」では、大きな違いがでてくるのです。
2.事業内容の審査
ビジネスローンは、銀行のプロパー融資ではないためそこまで事業内容を事細かに審査するというわけではありません。
基本は、決算書や借入状況などの数値データ(実績データ)を入力したスコアリングを元に審査が行われるからです。
- 今後伸びそうな市場
- 事業内容が他社に対して優位性が高い
- 強み・弱みの分析
など、銀行融資で重要とされているものの重要度は、ビジネスローンでは低くなると言っていいでしょう。
それでも、やっておいて損はありません。
とくにカードローン型のビジネスローンでない場合には、面談や事業内容をヒアリングされることもあります。そのときに備えて、わかりやすく自社の事業内容を市場や競合との違いをベースにプレゼンテーションできるように準備しておきましょう。
提出書類に簡単な事業内容の説明を入れても問題はありません。
まとめ
ビジネスローン審査では、業態や業種ごとに過去の実績データから、貸し倒れリスクが点数化されているのです。
業種・業態を変えるということは現実的ではありませんが、どのような視点で審査されるのかを知っておくことが重要です。
事業内容は、銀行融資の審査とビジネスローン審査との違いが鮮明になる部分でもあるのです。