目次
ファクタリングとは
企業が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却すること
を意味します。
売掛債権とは
商品の納品やサービスの提供が完了している状態で、支払い請求が済んでいるが支払がまだ実行されていない債権のこと
を意味します。
売上が伸びると資金繰りは苦しくなるのが普通
通常、企業取引では商品を販売した場合にはその引き渡し時には支払いが発生せずに、決められた期日までに後払いをする信用取引を採用しています。
そのため、商品を渡しているのにも関わらず入金がないという状態が数日、数か月続いてしまうのが普通なのです。
支払サイト(締め日から支払日までの猶予期間)が30日(月末締め翌月末支払い)であれば、商品の引き渡し後30日後に入金が行われます。この場合ではまるまる2か月分は入金がないことになるのです。
支払いサイトは、60日以上の支払サイトの設定をすると違反となるので、長くても60日ですが、この60日の前に商品の仕入れが必要であり、急激に売上が伸びてしまった場合にはキャッシュが足らなくなり、資金繰りが悪化するのが普通なのです。
急激な売上上昇 → 売掛金の増加 + 資金の減少
を招いてしまうのです。
このケースがすべてではありませんが、このようなケースで必要とされるのが、売掛金をキャッシュに変える仕組み「ファクタリング」と呼ばれるものです。
ファクタリングで売掛債権はいくらで売れるの?
売掛債権額の10%~30%(2社間ファクタリング)
売掛債権額の1%~5%(3社間ファクタリング)
がファクタリングの相場となっています。2者間ファクタリングというのは、請求先である会社へ通知を行わずにファクタリング会社が買取をするシンプルな方法で、これとは別に手数料が安い請求先も巻き込んだ3者間ファクタリングがあります。
3者間ファクタリングの場合は売り掛け先のクライアントを巻き込んで契約をする必要があるので、資金繰りが悪化していることがクライアントにばれてしまいます。その分、ファクタリング会社のリスクが低く手数料が安くなっています。
しかし、取引先に「資金繰りの悪化」を通達するということは、今後の取引に大きなマイナス影響を与えてしまうため、ほとんどの方が選ぶのが「2社間ファクタリング」なのです。
ビジネスローンとファクタリングはどっちがお得?
ビジネスローン 平均 年率10%~15%(月率1%前後)
ファクタリング 平均 月率10%~30%
基本的にはビジネスローンの方が圧倒的に低金利なのです。
例えば、急激に売上が上昇して今すぐ100万円の資金が必要なケース(来月末に売掛債権の入金がある)
ビジネスローンの場合
借り入れをして、1カ月後の売掛先の入金を待って完済する
年率15% → 月率1.25% : 利息12,500円
100万円借りて資金繰りを乗り切ったら、売掛先の入金を待って101万2500円で完済すれば良いのです。
ファクタリングの場合
100万円の売掛債権を今すぐに現金化可能
手数料20% → 80万円が手に入る + 売掛債権は手放す
すぐに80万円の現金が手に入りますが、売掛債権は手放す必要があるので、1カ月後の入金はありません。
ビジネスローンの方が有利に決まっている!
という結論になります。
ファクタリングの手数料がビジネスローンの利息制限の上限「年率:15.0%(100万円超)」よりも安ければファクタリングの方が有利ということになりますが・・・
年率:15.0%というのは月率1.25%です。
これよりも手数料が安くファクタリングができる業者というのは、ほぼありません。
つまり、基本的にはビジネスローンを選ぶべきなのです。
ファクタリングを選ぶべきケースもある!
「じゃあ、ファクタリングを選ぶべきケースなんてあるの?」
と思ってしまいますが
あります。
ビジネスローン審査にどこも通らないケース
です。
ファクタリングはすでにある売掛債権を買い取るだけなので企業側の信用が関係ありません。
- 事業歴がないからビジネスローン審査に通らない
- 赤字決算だからビジネスローン審査に通らない
- 税金滞納をしているのでビジネスローン審査に通らない
という状況で、さらに資金繰りが必要な場合には審査の甘いビジネスローンを探すよりも、手数料が割高になりますが「ファクタリングを選んだ方が、確実に現金が出に入る」ということになるのです。
ファクタリング会社はこちら
まとめ
ファクタリングはビジネスローンと比較して手数料が割高になる
そのため、資金繰りが困難になっても基本的にはビジネスローンを選ぶべきです。
ただし、いろんなビジネスローンに申込んだけどビジネスローンの審査にまったく通らないというケースでは、確実に現金化できるファクタリングを選ぶということも選択肢の一つになります。
メリットデメリットを理解してビジネスローンとファクタリングの使い分けをしましょう。